きぞはるです。
今回はジャグリングアドベントカレンダー2019その2として記事を書かせて頂きました。
https://adventar.org/calendars/4216テーマは、中級者向けのジャグリング道具作り知識です。
世の中には初心者と上級者向けの情報は多く溢れているので、あえて中級者に刺さる内容だけを記事にしてみました。具体的には、もの作りで重要なのに見逃されがちな要素を並べています。
また、伝わりやすさを優先して言葉の定義として厳密には正しくない内容もあることをご了承下さい。この先の世界は君の目で確かめろ!大丈夫!?きぞは工房の攻略本だよ?
皆さんの良き道具作りライフに貢献できたら幸いです。
◼️比重を活用して、理想の体積と重さを実現しよう
比重とは重さの詰まり具合を示す数値です。
水の重さを1.0とした比率の数値で表され、1.0未満なら水より軽い材質、1.0以上なら水より重い材質といえます。
道具作りをしてる人でよく見かけるのが、作り始める前に道具のサイズ感や重さがなんとなくでも決まっているのに、そこから比重の計算をせずに材質を選ぶ人です。
手ごろな材質でなんとか理想に近づけようと苦心するより、サイズと重さから比重を計算して材質を決めればもっと楽に理想に近づけます。
もちろん、サイズの体積の中には何もない部分もあると思いますので、そこも意識して材質を選定できるようになればよりスムーズに道具作りができるはずです。
以下に、良く使う材質の比重の概算値と僕なりの解釈を記載しておきますので参考にしてみて下さい。
木:0.5 (種類によって大分違う。0.2とか1.0以上もある。)
プラスチック、ゴム:1.0 (大抵0.9~1.2に収まる)
アルミ:2.7
鉄:7.8
この比重を覚えておくと、例えばプラスチックと木で同じ重さの箱を作る場合に、プラスチックの方が比重が高いので板圧は木より薄くしないといけない、ということにすぐ気づけます。
このような知識をつけて、モノ作り勘を養っていきましょう。
余裕があれば、比強度も把握しておくといいでしょう。
比強度は強度÷重さで表される数値で、重さと強度のバランスを見るときに使います。
比強度が高いと、”同じ重さでより強い” もしくは ”同じ強さでより軽い”材質であるといえます。
簡単に言うと、比強度が高い材質は”軽いわりに強い”のです。
◼️困ったら木で軽く作れ
ジャグリング道具作りは軽いほうが有利になることが多いです。
道具の完成後に重くしようと思えば、テープを巻く・板厚を変える・一部に金属を使うなど、手段が多彩でいくらでも出来ます。
しかしその逆、完成後に軽くする手段は道具の強度の兼ね合いもあり難しいことが多いです。
悩んだらとりあえず軽くなるように作ってみましょう。
で、軽くなるように作るのに適した材質は何かというと、木です。
木は”軽いわりに強い”の筆頭で優秀な材質です。
加工しやすい、安い、入手しやすい。一発限りの道具を作るのにはとても向いています。
欠点は自然素材ゆえに安定した重さが出ない上に反りが生じることなので、複数作成などを考えない限りはどうにでもなる気がします。
◼️接着剤は素材に気をつければ優秀
接着剤はネジや釘などに比べて弱いと考えている人が多いようですが、実際のところかなり優秀です。
使ったけれど接着力が弱くてダメだったと言う人は、もう一度、説明書の内容を厳守していたか確認して欲しいです。
接着剤の使い方は種類によってかなり異なる上に少し間違えただけで接着力が大きく落ちます。
塗る面、塗り方、接着するタイミング、乾かし方。想像以上に複雑な代物です。
ちなみに僕のオススメの接着剤は”セメダイン社 スーパーX”シリーズです。
用途が広くコレがあればとりあえず何とかなることが多いです。
とはいえ以下の材質に接着材を使うのは厳しいので注意です。
ネジや釘、もしくは機構で固定するなど別の方法を考えましょう。
・ポリプロピレン(PP)
・ポリエチレン(PE)
・PTFE(有名な商品名でテフロン)
・シリコーン
◼️複数作成時は歩留まりも意識する
歩留まりは「ぶどまり」と読み、簡単に言うと道具作りの成功率のことです。
材料を必要分だけ買っても全部成功するとも限りません。
道具を複数個作る際には歩留まりが低くなるように、材料や仕様、作成手順を見直すことも重要です。
◼️とにかくお店に行って情報収集をしよう
ここまで読んできても、具体的にどうすればいいのか分からない事もあると思います。
材質や組み立て道具など知らないとできないことは一杯ありますので、どんな種類があるのかお店へ情報収集をしに行ってみましょう。
僕のおすすめは100均・ホームセンター・手芸屋です。
お店に着いたら、棚の端から端までゆっくり見て回りましょう。
キッチン用品、洗濯用品、化粧用品、おもちゃ売り場、農芸品等々、隈なく見てください。
欲しいものは案外そんなところに転がってます。
お店も何店舗か回ってみると尚良いです。置いてある物の違いにも気付くはずです。
慣れてくれば、同じホームセンターでも何に特化しているのか、この材料はどのお店が安いかなどが分かってきます。
◼️工具を使いこなそう
ホームセンターで売ってる工具を全部眺めてみましょう。
もし使い方の分からない工具を見つけたら、その場で検索してみてください。
見たことや使ったことがあっても、検索してみると認識が間違っている工具も多々あるはずです。
工具を正しく理解することで、道具作りの方向性やできることの幅は確実に増えます。
例えば、水平器があるということは物を作る上で水平であるということに価値のあることが分かります。加えて、水平器にも値段の幅があり、機能や質に違いがあることも分かるはずです。
このように工具を観察することで、道具作りに新しい観点をもたらすことができるはずです。
こんなところでしょうか。
内容は中級者向けなのでヒントレベルのものばかりですが、何かの役に立てたら幸いです。
自作道具とはいかなくても既存の道具の改造に役立つこともあると思いますので、ぜひ道具作りに挑戦してみて下さい。
以上