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BOXMITH -きぞは工房ブログ-

きぞは工房代表「きぞはる」のブログ

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製品版シェーカーカップ、完成しました。〜きぞはい・かずはいの紹介〜

きぞはるです。

きぞは工房として初のシェーカーカップ製品が完成しました。
しかも2種類。

それぞれ名前は、”きぞはい”、”かずはい”といいます。
値段はどちらも税込4900円。
色は3Dプリンターのカラーサンプルからお選びいただけます。

形の見分け方としては”きぞはい”の方がちょっと長くてスリムです。


【きぞはい】


【かずはい】


着手から丸2年。
正直、この文章を書いている時点でもまだ実感が薄いです。


最初は検証に耐えるものを3Dプリンターで出力するため、樹脂とひたすら向き合っていました。

そもそも3Dプリンターは耐久性を求めた制作に向いておらず、最初のサンプルも1回のトスキャッチで壊れるような状態でした。製品相当の出力など夢のまた夢。サンプルモデルの出力にとどめて、最終的には樹脂メーカーに製作依頼を出す予定でした。とはいえ、それでもサンプルモデルの検証は必要です。

そこから3Dプリンター樹脂と格闘して1年半。
偶然もあって、設計を考慮すれば製品相当の耐久力を持たせられるところまで辿り着きました。
ここまで来たらあとは設計を頑張るだけです。シェーカーカップ作りの文献なんて無いので、各寸法がどの性能に影響するかを試作・テスト・考察して割り出していくことになります。最後の数ヶ月は成果の蓄積と検証項目の増加が凄まじく、目まぐるしくも楽しい日々でした。


そんなシェーカーカップもいよいよ完成です。
制作のきっかけを与えてくれた、ヤモトさん。
テストと考察に尽力してくれた、けーすけさん、びのさん。
これまで協力いただいた多くのジャグラーの皆様、本当にありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。


肝心の性能ですが、当初の目論み以上のものに仕上がったと自負しています。

下の図の通り、従来のシェーカーカップに比べると風変わりな形状をしていますが、どの部分にも検証の成果が反映されています。



■大きく太いフチ
3Dプリンターで印刷するときの土台の為に面積を広げたところ、フチを使った技の安定へ寄与することに。

■角張った多面体のボディ
カップ同士の摩擦音を小さくしようと接触面積を減らした結果至った形状。ボディに面ができたので、将来ここを活かしたバランス技が出てきてほしい。むしろ出てきてくれ(願望)

■柔らかいボディ素材
シェーカーカップの形状は比較的剛性が高く、柔らかい樹脂と組み合わせたことで柔らかさとジャグリング道具としての使い心地を両立することができました。この恩恵は大きく、当たっても痛くない・音が静かになった・等々があります。

■きぞはい・かずはいの2種類展開
シェーカーカップのトス系統に、マルチリリースとオールリリースという2つがあります。検証の結果、これら2つの系統が、実は設計上相反する要素であることが分かりました。一つのカップで両方の系統を追求できたら素晴らしかったのですが、そうはいかないので2種類展開と相成りました。

“きぞはい”はマルチリリース特化、”かずはい”はオールリリース特化になっています。
性能に寄与する大きなポイントはカップの高さと角度です。
高さは5mm刻み、角度は0.5度刻みで多くのパターンを製作・検討した結果、先の図の数値に至りました。


ひとまずこれで、ものづくりは一旦終了です。
ジャグリング道具は使われてなんぼ。これから多くの人に実戦で使って頂くことになりますので、今が"きぞはい"・"かずはい"のジャグリング道具としてのスタートラインだと考えています。

ダメ出しや改善要望などがあれば是非お聞かせください。
実戦の評価を経て、皆さんに愛用して頂けるシェーカーカップにできるよう努力して参ります。


きぞは工房はこれからも道具制作で新しい側面を見せてゆきますので、皆様、どうぞご期待下さい。


以上
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